“予測不能な状況で直感が正しいと主張するのは、よくて自己欺瞞であり、悪くすれば悲惨な結果を招きかねない。有効な手がかりが存在しない場合には、直感の「的中」は幸運によるのであり、でなければ嘘である” D・カーネマン著 『ファスト&スロー』より
私たちが恐怖や不安に駆られた状態で(=浮き足立った状態で直感的に)未来を予測するとき、その直感はどの程度信頼できるでしょうか?
実は、あなたの直感的な予測の精度を判断する2つのチェックポイントがあります。
①その事象には、予測可能な規則性はあるか?
②あなたは、その規則性を学習する機会が十分にあったか?
つまり、2つとも「Yes」であれば、その予測精度は高いと判断できます。逆に2つとも「No」であれば、その予測は当てずっぽうであり信用できないということになります。
私たちは何らかの予測を立て、意思決定し、行動を起こします。しかし、予測精度について深く検証することはほとんどないのが実情ではないでしょうか。
状況が緊迫すればするほど、人は直感に頼ることが多くなります。そんな時に、一旦立ち止まってこのチェックポイントを活用してください。もし、2つとも「No」であったら、自分の直感を疑いましょう。そして、同じような事象が過去にあったのか(=類似ケース)等の外部情報を集め、予測の精度を高めましょう。
“人々が自分の直感に対して抱く自信は、その妥当性の有効な指標とはなり得ない” D・カーネマン著 『ファスト&スロー』より