“マネジメントの父”と呼ばれるP.F.ドラッカー(1909-2005)の名著『経営者の条件』<ダイヤモンド社>より名語録をご紹介していきます。【第2弾】
“外部の世界における真に重要な事象は、傾向ではない。変化である。そしてこの外部の変化が、組織とその努力の成功と失敗を決定する。しかしそのような変化は、知覚するものであって、定量化したり、定義したり、分類したりすることはできない”
“危険は、コンピューターの論理やコンピューター言語に表せない情報や刺激を、エグゼクティブが軽視するようになることである。現実の知覚的な事象に盲目となり、過去の事象にのみ関心をもつようになることである”
“人類の歴史は、いかなる分野においても、豊富なのは無能な人間であることを示している。われわれは、せいぜい一つの分野に優れた能力をもつ人間を、組織に入れられるだけである。そして通常、一つの分野に優れた能力をもつ者は、他の分野については、並みの才能しかもたない。したがってわれわれは、一つの重要な分野で強みをもつ人間が、その強みを仕事に使えるように、組織をつくることを学ばなければならない”
“われわれに必要なのは、専門分野の一つに優れた人間をいかに活用するかを学ぶことである。すなわち、彼らの能力の成果を増大させる方法を学ぶことである。資源の調達を増大させられなければ、資源の産出を増大させなければならない。そして、成果を増大させる方法を学ぶことこそが、能力や知識という資源から、より多くのより優れた結果を生み出す唯一の手段である”
“成果をあげるものは、仕事からはスタートしない。時間からスタートする。計画からもスタートしない。時間が何にとられているかを明らかにすることからスタートする。次に、時間を管理すべく、自らの時間に対する非生産的な要求を退ける”
“時間はあらゆることに必要とされる。時間こそは、真に普遍的な条件である。しかるに、ほとんどの人が、この代替できない必要不可欠な資源を、当たり前のもののように扱っている。おそらく、時間に対する愛情ある配慮ほど、成果をあげるエグゼクティブを際立たせるものはない。しかし、一般に、人間は自分の時間を管理する用意ができていない”
“成果をあげるべき者の仕事の多くは、たとえごくわずかの成果をあげるためだけであっても、まとまった時間を必要とする。最小単位以下の時間では、まったく無意味である。何も達成できず、やり直さなければならなくなるだけである”
“知識労働者が多少なりとも成果や業績をあげるためには、組織全体の成果や業績に焦点を当てなければならない。ということは、彼自身も、自分の目を仕事から成果へ、専門分野から外部の世界、すなわち成果が存在する唯一の場所たる外部の世界へ向けるための時間を必要としているということである”