“テクノロジー自体は悪いものではない。もしあなたが、自分の人生に何を望むかを知っていれば、テクノロジーはそれを達成するのを助けてくれる。だが、人生で何をしたいのか分かっていなければ、代わりにテクノロジーがいとも簡単にあなたの目的を決め、あなたの人生を支配することだろう” ユヴァル・ノア・ハラリ著 『21 Lessons』より
「スマホを始めとするデジタルテクノロジーは諸刃の剣であり功罪両面がある」という主張を声高にしたところで、多くの人は立ち止まって考えることなどしないでしょう。なぜなら、私たちはテクノロジーの多大な恩恵を受け、豊かな生活を享受しているからです。しかし、本日はあえてテクノロジーの負の側面について考えてみたいと思います。
コロナウィルスとの戦いが長引けば長引くほど、疲弊し、将来を悲観する人が増えていきます。心の力が弱まれば、批判的思考力は衰え、通常であれば受け入れることのない主張や情報を受け入れてしまいがちになります。
特にスマホに依存している人は要注意です。スマホの向こう側には様々な意図を持った集団があなたの行動を変えようと精力的に活動しています。人は、同じメッセージに繰り返し触れると、無条件にそれを信じてしまう傾向があります(これを「単純接触効果」と言います)ので、スマホのヘビーユーザーは情報操作される危険性がより高くなる訳です。
不安を解消するために情報収集することは否定されるべき行為ではありませんが、その結果、(知らず知らずの間に)あなたの意見や行動、ひいては人生の目的までもがテクノロジーに支配される事態は避けたいものです。
“機械ある者は必ず機事あり。機事ある者は、必ず機心あり” 老子 (機械に振り回されては、人間の心の不在を招く)